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2007年7月26日 (木)

稚内@北海道 <20062.19-20>

Sono2

<20062.19-20>
今年になってから何をするにも遅れ気味でG.W.直前の今も仕事は
空前の納期遅延でアタフタの毎日。
ようやくUPで手帳に書き留めた原稿ネタを改めて読み返してみれば
この頃は季節だけでなく自分の気持ちも何やら冬めいたものが
あってまもなく初夏になる今から見れば全てが懐かしい。。。(苦笑)

今現在の気分はそう悪くない。人間の気持ちなんかもやはりどこかに
書いたように季節と同じくアツイやサムイを繰り返すものだなあ。

ここから本題。

出発当日に随分と前からおよそ自分に似合わない社内教育の講師を
依頼され自分らしく何も考えずに引き受けてしまったものだから
終了後に夕方からアタフタと上京して羽田空港近くの宿に。

今回の放浪では直前に同じ部署の人から一冊文庫本をもらって
行き先に似合いだってんでそいつを供にして。
WHITE OUTっての。
映画にもなったけど観ていない。織田裕二が何となく好きで気に
していたけどね。(後から思うに絶対、映画より本で味わえ!だと思った)

宿に着いてから夜半過ぎまで飲む展開でこれがいけなかったか夜中の
二時過ぎに激烈な腹痛で目覚める。
食べ物のせいというのでなく物理的に胃に孔が開いたような感覚。
旅に出てしまえば相当に気分はイイのが過去の例からもアタリマエだけど。
ああ、それなのにそれなのに。なんでコンナになるのか本気でキャンセル
しなきゃいけないかと初めて思ったよ。楽な姿勢を探して芋虫のように
身体を動かすがどうにもならない。痛みが治まったか寝不足の疲れが
強いのか意識はいつしか眠りへと落ちる。

それでもいつしか回復して日常の出社と違うから予定どおりの起床。
やはりこれが普段の生活との差だね。

出発便は旭川行き。但し天候調査中で状況次第で札幌に着陸かも、
と言われる。まあ どっちでもイイよ。そんなのも北海道らしいかと。
離陸直後にまた眠くて意識消失。いつの間にか山形上空。
しばらく寝不足続きだったから仕方なしだな。

やがて着陸態勢。雲が切れないと思ったら唐突に雲ではなく雪の地表と
気がついた。時折には木々が地図のような模様を作る。
雲のような雪、雪のような雲。 空と地面が連続的な景色だよ。
意味がわからない自分の興奮。誰も待ってないし何も無いのに心が騒ぐ。
着陸すると掃除機みたいにエンジン前面へ雪が吸い込まれていく。
滑走路の周囲は白一色。
意味も無いのに何故笑う?自分の笑みが抑えられなくてなぁ。
旭川空港のターミナル周囲は一面の雪でも服装は東京のまま。
でも寒さを感じない。戯れに雪を掴み取り丸めて雪の小山に投げつける。
音も無く吸い込まれるように開いた穴を見て「北海道に来たのだなあ」

Sono1

空港から旭川駅はバスで40分程度。市街地が近づくと道路も泥混じりの
白から茶色に変化する。昼飯時でもあり駅でミソラーメン。
地元では絶対食べないけど自分の北海道イメージとしてはこうなる。
大体、駅の食堂というのは何処でも客観的に何てこと無いはずなのが
ウマク感じるというのも旅の不思議というもの。

ここから稚内行きの特急サロベツを待つ。ホームの向こう側にラッセル車。
待つ間に段々と手袋の中の指が痛くなる。うむむ、やはり北海道。
到着した列車に乗り込めば4両編成のためか八割以上の乗車率。
周囲の雪から来る外来光のせいか社内も明るい。
発車と同時に売店で買った国士無双なる地酒を開封するのよ。
昨夜の腹痛が全く教訓になってないね。と、またまた睡眠に転落する。

車内検札で目覚めて外を見れば偶然、通過する駅に塩狩と表示が読める。
高校の時、同じクラブだった同級生から誘われて二人で
ちょっと教会に通っていてね。(自分でも似合わないと思うよ)
そこの神父さんから借りた小説が「塩狩峠」でココだったんだ、って
少し感動したよ。(北海道の南側の方かと思っていた)
思い出したついでに少し脱線するとね。
当時、教会では何を話したか覚えていない。その後、時々一人でも尋ねたり
して主題は「神」なんだけど神父さんと雑談のような感じだったかなあ。
この同級生、当時は一部にありがちなペッタンコのカバンに長いスカート。
喫茶店に行けば「ちょっとゴメンネ」って隣で制服のままタバコをプカ~。
自分の喫煙習慣は大学以降の事で好感を持っていても何だかなあ、
って感じだったのよ。でね、一緒に教会行った時、姿が見えなくなって
礼拝堂に行ったら夕暮れの薄暗い中で膝ついて指組んで何か祈ってるんだな。
普段と結びつかない姿が何か不思議だったっけ。
後日に自分も真似してやってみたら神父さんが来てね「神様の声が
聞こえましたか?」って言うの。自分の答は「何も聞こえませんでした」
だったけどコレは当時の自分ならアタリマエだね。

ただなぁ、最近では何となくこの意味がわかる気がする。
ああいう場所で神の声を聞くってのはさ、実は無心に祈る形で
自分の中にある本心の声を聞く事かもしれねえとね。
普段の生活みたいに何でもお気楽テキト~にやってりゃさ、祈るとか自分が
信じたいものを探すなんて事はまずやらないな。
それでも人間、悩んだり気分が苦しい時には自分の気持ちの答が
必要になる時もあるかもしれない。
教会じゃなくてもイイと思う。トイレで心と身を空にするとか、
風呂で何も雑な事を思わずに呆けるとか、寝床で視点を定めぬままに
一杯やるとか。そんな事をしながらでも自分の気持ちを自分に
向けていると答が聞こえてくる場合があるような気がするね。
(でもまあ それすら永遠不変の回答じゃないだろうから難しいや。
人間が生きてくうちに出くわす場面てのは色々あるよなあ)

旅は不意にいろんな事を思い出させてくれる時もあるねえ。
おっと話を珍道中に戻さねば。。。

名寄に到着の頃には持参の文庫本を完読、酒も飲みきり。
それでも雪を抱きかかえたような木々の風景には変化が無い。
音威子府に到着のアナウンスでまた目覚める。
いつしかまた寝てしまっていた。
やはり景色には変化が無く少々の退屈混じりで外を見れば雪に映る
日の光に橙色が入る。列車は北へ進むうちに地平線には僅かに
夕焼けの残りカス。やがて空と地の雪が濃紺を含んだ夜の色に。
地元と比べると相当に早い時刻で北端に近い事を実感する。

鉄道で行けるとこまで行くか、それがとうとう稚内到着だ。
ただ思った程に寒くない。
ここからそう遠くない宿までスケートリンクのような硬い雪道を
トボトボと一人歩く。あっと危ねえ!何しろ車が通らないから
気がつかなかったがいつの間にか車道を歩いている。
途中で目に付いた旅館の名前は「さいはて」、看板からして寂しい。
とりあえず自分の宿にcheck-inして市中見回り散歩に。
日曜のためか夜七時でも車も人も無くて少し歩くと街の明かりも途切れる。
訪問の曜日設定が失敗だったかなあ。。。
ここでカニの一つでも食えば景気付けになるかと思うが今回はどうにも
一人で店に入るのも様にならない気がしてラーメン屋に。
店内にはありがちな色紙の類が貼られていても何かもう一つ、という感想。
ああ、そうだ。昼もラーメンだったから感動が少し薄れたか??
恒例の旅打ちも気分が何か乗らなくて少しばかりで退散しコーヒーでも
飲むかと茶房との看板の店に入ればメニューには日本酒が。
結局、酒肴と燗ね。客は自分だけ。ただ、この店とオヤジの雰囲気は
良かったな。一杯やりながら土地と岬の事を聞いて見る。
昔は典型的な港町だったらしい。客で会社員(公務員が主体みたい)が
飲んでいてもだ、胴巻きに札束をはさんだ漁師が来れば先客でも
会社員連中は退席もらうのが暗黙の了解だったとか。
この昔は、というのは200海里の話が境になっているらしい。
コレ以降、船も激減して港湾に入りきれないほどだったのが
100パイ(←船の数単位らしい)から7ハイになって今では
ロシアから輸入、というと貿易のようでも実際はカニや魚を買い取る形で
生活しているそうな。今では会社員が店に来ると漁師の人たちには
引き取ってもらうとか。栄枯盛衰の図を一つ見たような話だなあ。

しばらく話し込んで店から出れば駅前にはタクシーが客待ち。
誰が来るわけでもないだろうが今夜の運転手さんはツイテルね。
根室の納沙布と紛らわしいけどノシャップ岬まで。
(往復で三千と何百円くらいだったか)
ここでしばらく待ってもらって一服する間、暗い海と夜空を見る。
タクシーの中で聞くに昨夜はブリザードのような暴風雪だったそうだか
今夜は暖かいと言う。非常に残念。そんな時に体験したかったのだが。
それでも北の岬は慣れぬこの身に厳しい。耳も指も寒いではなく痛いの。
このへんは迷想のほうにも書いたっけ。だからこれ以上、書く事は無い。

Sono3

さてと、タクシーで宿に戻り何となくbarでバーボン二つ。
カウンターで一人飲んでいれば5つ程離れた席で自分くらいのオヤジと
20代後半と見える女性の一組。男性は相当に酔っているか所々、会話が
耳に入ってくる。人それぞれにドラマがあるもんだ。こんなものの傍らを
通りすがるのも旅の面白さかも。
寝不足気味だった前夜に続き夜更かしで就寝。

少々寝坊して宗谷岬に行こうと思うがロクに下調べをしなかったので
バスはとっくに出発した時刻だった。次ので行くと帰りに間に合わない(苦笑)
とりあえず昼の風景を見物に散歩して防波堤まで。途中、右翼の街宣車が
雪をかぶりつつ駐車しているのを見る。看板の「北方領土返還」の文字に
この地だと妙なリアリティを感じる。
防波堤では階段であるはずの場所に雪が積もり山を登るかのようにして
上に立てば背中を押す風に一服する間でも昨夜と同じく指が痛くなる。
目の前には「冷たい」という言葉を色にしたらこうなるのだろうと
思うような海だ。

またしばらく歩き回り公園にロープウェイがあって面白半分で乗ってみれば
他の乗客はスキーを担いだ本格姿の地元らしき人で???と思うも納得。
上に到着すればリフト完備のスキー場になっている。
膝近くまで靴の中に雪が入るのも無頓着に「ひょほ~!」などと意味不明に
言いながらラッセルして丘の端まで行けば稚内の風景全体が見渡せるよ。
このロープウェイは三月で廃止になるそうで(この原稿完了時には既に、だな)
それまでの利用に感謝して料金は無料となっていた。
地元パチ屋だと新台入替えの撤去前ならこれで最後とばかりにガチガチの
渋い釘となるのに。。。こういう姿勢を見習わせたいよ(おっと関係ない話)

何となく歩き回れば月曜ズル休みの昼近く。
先週末の仕事は途中で放り投げてきたようなものだから今頃会社では
自分を指してドコでナニやってんだと怒号が飛んでいるかもしれんが
知った事ではない。それでもトバッチリを食らうであろう職場の人に
土産物なんかを物色する。

最後にもう一度昨夜の店へ。オヤジではなく奥さんらしき人が店番している。
コーヒー注文するも一寸の後に「あ、やっぱりビールにして」と言い直す。
昼からこれでいいのか?まあ、良かろう。
空港行きのバス時刻も近くなった。勘定際に店の主が登場して軽く会話を。
〆の言葉は「いやあ、良い旅をさせてもらいましたよ」と。

そうだねえ、この上の方に書いた「神の声」ってのね。それが自分の気持ちの
一つだとしたら何となくようやく冬の岬で聞こえたような感じかなあ。
分かりかけているようでまだ分からんけどねえ。

帰宅してから後は。。。
この頃に気になっていた高血圧と頭痛がいつの間にか治ってるのよ。
面白いや。だから普段の生活から離れてフラフラするのもそれなりに
意味が有るかも。

Sono4

今回のオマケは旭川駅のラッセル車と稚内市内のスキー場。

北海道だなあ。。。

Station_2

Ski_1

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