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2013年9月15日 (日)

最初から富士山よりも高いトコ、のモンブラン<2013.8.11>

時折に目が開く六人部屋寝台列車。
それもやがては朝になる。どうやら同室連中は単独行の一人と
幼児連れの四人家族だったらしい。(正確なところは未確認)

明るくなれば何の遠慮もいらないだろうが窮屈さが嫌になる。
荷物をまとめてね、クシェットではなく別車両リクライニング
座席へ移動する。寝ないなら、むしろコッチの方が居心地良い。
好みと混雑状況によるだろうが簡易寝台(クシェット)で窮屈に
過ごすよりも到着一時間くらい前になったら移動する選択だって
有るかと思った。

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ほどなく終点のSt. GERVAISに到着する。ここからシャモニ行きの
に乗り換えだ。トラムのようなチビ電車。でも景色には文句無し。
山の近付きを車窓からでも実感させられる。三頭尖鋭の山。
すげえ景色だな。とにかく空が青い。山の形が凄い。
風景に驚いてばかりだが事実、そのとおりなのだから仕方が無い。

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急角度で切り立ち、荒削りのものばかりだが そういう地域の
人々から見れば富士山はまた別格の美しさに見えるんだろうか? 
しかし車窓風景。天にかかるものが山なのか雲なのか一瞬には
分からぬ程に凄い、と、また感動してしまった。

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そして到着。
空気がね、ぜんぜん違うの。いや、ホント。
宿は駅前。ココに荷を預けて見物の手もある。しかし高地で
必要になる衣類は何だろかい?それと元々が荷をゴロゴロ引きずる
わけでもないから先ずは歩き回りたいの気持ちになる。

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背中の重さすら日頃に怠け切った自分への鍛錬だと思えば
全く苦にならぬ高揚感ばかり。そりゃそうだ、この頃に自分は
背肩どころか頭の中にも物理的以上に精神的な荷物を載せていた
のだから。こうなると目にする全てが心地良い。

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街歩きをする途中にCASINOが一軒。しかし「ふ~ん」で興味なし。
一体、気持ちの中で何が切り替わったのだか。

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先ずはモンブラン近くを目標にしてロープウェイでエギューユ・
ドウ・ミディまで。シャモニの1035mから一度、乗り継いで3842m
まで一気に。いきなり富士山より高いトコだぜい!
しかしそこは観光地。乗り場では随分な行列で整理券方式に
なっている。窓口でキップを買うと乗車順番の札を一緒に
渡される。これは有効パスを保有していても混雑時に窓口で
別途、整理券(のようなプラッチックの札)だけは貰わないと
いけない。30分くらい待機してロープウェイの順番が来る。
この地域交通機関乗り放題モンブランマルチパスは出発前に
参考にした案内本だとEUR51.30と記されていたが例にもれず
EUR54.00に値上げとなっている。来年にはまた価格変更が
有るに違いない。

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ロープウェイの登り加減がスゴイヤ。日本なら真夏の八月。
全く場違いだがこの時期にハイチの人々はどの様に暮らして
いるのかなあ、と。小学生の時に図書館で借りた
「八月の太陽を」を思い出した。
あの場所は今も地震の後遺症を受けているのだろう。
そんな遠い記憶とは別にこの旅期間にも日本国内で熱中症で
落命する人間だっているはず。全く、、、人が生きて死ぬっ
てのは。旅気分の中で少しだけ現実を想う。

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エギューユ・デュ・ミディ 3842m到着。涼しいなあ!!

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洋菓子名称でモンブランってのがある。甘物ダメだから
興味無いしどんなものかも知らぬ。それでもこの山に因んだ
ものらしい事は何かで知っていた。目の先にはその頂。

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視線を上にすればモンブラン4807mがド~ン!
下界を眺めればシャモニの街がバ~ン!で展望台では
到着祝いに荷物の中から取り出した焼酎で一杯を。
酔狂な真似だろうが現地では日本人か中国人か分からぬ
東アジア系訪問客が多かった。そういう連中の中で
こんな事やるのは自分位かもしれないが十分に満足。
傍らには氷河の起点の様な凍った川がある。
展望台横には岩登り体験ゾーンみたいな場所も。
こりゃ気軽に挑戦なんてわけには行かないから見ているだけ。

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目に満足。腹には空腹感少々。売店でパニーニ(長パンで作った
HOTサンドイッチみたいなもの)を注文する。EUR7.80で高地価格の
無駄遣いだって自分の最標高買い食い記録だと思えば安いものだ。

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しかし惜しい事に頂上テラスに行くエレベータは故障修理中。
そりゃ人気時期には引っ切り無しに観光客が利用するのだろうから
壊れるのも不思議ではないが。。。
こうなると満足も八割程度かモンブラン。惜しい。
登りには混雑の順番待ち整理券だったから下る時もそうなるのが道理。
到着時に出口で下り用の整理券が早々と渡される。1時間半程の
待機でその間にユルユル見物しろということだ。
(記録によれば12:30頃に到着。下山便は14:05)

考えてみるまでもなく日常の普段は寝床と勤め先を往復
するだけがアタリマエの暮らし。それだけ限定的な範囲で
生活しているということだ。これは行き先に関係なく
常々に旅の最初で到着すれば「俺はコンナトコまで
来ちまった」といつも思う。今回はその気分が殊更に強い。

ここからイタリア側へ雪上を吊られながら行くゴンドラ旅がある。
一つの見物体験として面白いだろうなあ、で心揺れるものを感じた。
今回は時間的な問題から「まあ、次の機会にしようか」で見送り。
再訪があるのかなんて分からないが日本の猛暑に倦むならば
いつかまた来たいと想った。一応の意気込みで出掛けるにせよ
行き先がどこであろうと毎回が下見の様なものになっている気がする。
だがいつかまた、の気分。

013

下界のシャモニに戻ればそう暑いわけでもなく高原気分だし何よりも
湿気無縁で日本と気候が違う。

次は何かな?でモンタンベールへ。と登山鉄道の駅は随分な
行列で「まあ、後でイイや」と宿にCHECK INとなる。
宿場所は駅前そのもの。徒歩0分。こいつァ嬉しい。

今までの旅だと宿代は先払い、あるいは保証預け金として
カード提示が普通だった。しかしスイスではそういうのが
無くてCHECK OUTでの精算が今回に体験した限りでは主流で。
ただ出発の時に手間取る展開になると嫌だったから
先に払っとくョ、にする。
昨年にウィーンでの教訓から領収書をもらってね。
宿側の記録に受付姉さんが支払済みと書くのを見て安心。

宿部屋からは先ほどまでいたエギューユ・ドウ・ミディが
遠くに見える。今回の旅では手のひらサイズの単眼望遠鏡を
持参していた。こんなもの一つでもまた直接、目にする
風景と違った感じで楽しめるのだなあ。

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荷を部屋に置いて身軽。時刻は16:00になる。
さあて行ってみようかい、モンタンベール(Montenvers)。
モノの本によれば標高は1913mで何を目にしようと涼しげな
気配かのう。先刻までは行列だった登山鉄道駅は幾分か
混雑緩和だった。それでも乗客は多い。
幸運な事に先頭座席。個人趣味から電車に乗るならば
運転士さんの近所が特等席であるのは国の内外に関係なく。

マトリックスって映画が昔にあった。
歯車式の登山電車を運転するのは出演していた女優さんを
思い出させるサングラスの風貌が何とも似合う娘さん。
運転姿もまたCOOLだった。でも運転席にはノッチ式ハンドルでもなく
遊園地の乗り物風、ただのボタン二つのみで制御していたみたい。
不思議なもんだ。

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終点モンタンベール駅近くには石造りのHOTEL。
事前に調べた所では結構な有名宿らしい。
確かにここから星空を観れば相当なものだろう。
あるいはCHECK OUT後の起点としてシャモニまで山くだりの
散歩を楽しむには良いかも知れない。だが時間的な余裕程度から
次回に持ち越して(だからそんな機会があるのだろうか?)
氷河見物の方に。

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駅横から下に降りるゴンドラに乗車する。ここから
メール・ドゥ・グラス(Mer de Glace)って氷河見物に。
ゴンドラというかチビ・ロープウェイで下まで降りていく。
枯れた河原のように見える風景も実は氷河だった。
正に氷の河。

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400段程あるらしい階段を下れば凍った河に穴をくりぬいた洞窟だ。
見物人が歩む通路にはビニルシートが敷かれて遠目には河川敷の
工事をしている雰囲気にも見えるが近付けば中身は氷の青。

人間の感覚とは不思議なもので赤い方が暖色、青は寒さの方と
相場が決まっている。人が認識する色の違いは単に光の波長の
違いなのに。アタリマエの常識だろうが人が造るそのイメージにも
何か不思議なものを感じてしまう。だが実際に氷の壁は青し。

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感心している場合じゃない。
観に来る時はホイホイと降りた階段も戻りで上を見上げれば
随分と長い。
温暖化の影響で毎年、氷河の位置そのものが後退進行中で
昔はそれ程降りる必要は無かったそうだ。
階段途中では各年での氷河位置を示したプレートが
岩肌に付けられている。これは80年代後半からのものを
随分と高い位置で目にした。
もしも温暖化というのが人間の活動のみで生じたのであれば、
その結果の一つが氷河の後退だとするなら深刻な問題なのだろう
ということを実感する。

さてシャモニまで戻ろう。
街通りには観光保養地なのだろうが雑踏感が全く無い。
旅前半の高揚感も相まって良い雰囲気だなあ、と思う。
晩飯所をどうしようかと考えつつ地元スーパーの様な店に
入れば色々と手軽な食材が多い。

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チーズとマッシュルームのサラダ、カマンベルチーズに
スモークサーモン。と晩酌。あっと主食を喰うの忘れた。
観光地価格と言うか旅全般に食事費用が掛かるものだなあ
と思った、これならまあ安上がりの部類だろうがそれでも
EUR12チョイ。
<教訓>
コンビニの割り箸は幾つか持参した方が良いと思った。
持ち帰り品を宿部屋で食う時には非常に便利だ。

シャモニ、モンブランは観光地としても相当なものだろうが
ユルリと待ち歩きをするでもなく一日が終わる。それでも満足。
ただ、ここは随分と気に入って二泊でも良かったのかなあ、と。
いずれにせよ今回は下見の様なものだ。いつかまた再訪したい。

20:30を過ぎてもまだ明るい。宿部屋の向こうにデカイ山。
形を眺めればマグリットの絵、「大家族」を連想する。

さて寝るかね、今になってから脚がガタガタ気配。

<本日の宿>
シャモニ駅前の Langley Hotel Gustavia
駅の前。交通至便。街歩き起点にも文句なし。
宿代は一切の税、サービス料込みで日本円換算の
カード払い料金は¥12843、という事は換算すると
EUR100以下であるし価格対内容比は上出来だろう。

部屋の雰囲気は良い。但しバスタブ無しのシャワーのみ。
スタッフは友好的で何も不満無し。朝食は含まれて居ないが
EUR10.00の別払い(使わなかった)宿泊客には宿の
飲食10%割引券が付く(これも使わなかった)
再訪するなら他を検討するまでもなくこのHOTELで良いと思った。

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